Research Press Release
ヒトの音感は大脳皮質より前で形成される
Nature Physics
2014年5月19日
音のピッチを我々が知覚する仕組みは、これまで考えられていたように脳が聴覚情報を処理するのではなく、物理現象によるものである可能性があるとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。そうした知見を用いて、ピッチ感覚について詳細な予測ができ、その結果は、数十年前の心理音響実験から得られこれまで説明されていなかったデータによって裏付けられている。
Florian GomezとRuedi Stoopは、我々がピッチを知覚する方法を決める主な要因は、我々の蝸牛が粘性流体で満たされているという事実にあることを明らかにした。彼らは、粘性流体の存在下での結合音、つまり2つの音が同時になったときに知覚される付加的な音が、ヒトの聴覚におけるピッチ感覚に関与していることを示唆する数理モデルを作った。
doi:10.1038/nphys2975
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature