【神経科学】カラスは自分の周囲のカラスの様子を見ている
Nature Communications
2014年4月23日
ワタリガラスが、他のワタリガラス同士の相互作用の違いを見分け、それに応じて自らの行動を変えていることが分かった。この新知見は、ワタリガラスが、霊長類やヒトと同じように、第三者同士の関係を理解できることを実証している。この研究成果を報告する論文が、今週掲載される。
多くの生物種において、同じ集団の構成員同士の関係を理解することは、生き残りの鍵であり、この能力は、社会的知能の中核的特徴とされる。ヒトと霊長類、そして、類似の社会的組織と階層を有する哺乳類が、この能力を有することが知られている。これに対して、鳥類が、こうした社会力学の理解できるのかどうかは明らかになっていなかった。今回、Jorg Massenたちは、この点を調べるため、ワタリガラスに、自分の社会集団内の具体的な優勢順位を知っている自分以外のワタリガラスと他のワタリガラスとの音声的相互作用を録音した音声ファイルを聞かせる実験を行った。その結果、ワタリガラスは、自らの集団内での序列の逆転をシミュレートした音声を聞いた時に、現在の優勢順位に従った優劣関係に基づいた相互作用を示す音声を聞いた場合とは異なる行動プロファイル(例えば、頭の向きを変えることや体を震わせること)を示した。
ヒトと鳥類は、脳の構造が大きく異なり、互いに縁遠い動物種なのだが、類似の社会問題を解決するための複雑な認知能力が複数回にわたって進化したことが、今回の研究で得られた知見から示唆されているとMassenたちは考えている。
doi:10.1038/ncomms4679
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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