Research Press Release
アメリカ鉤虫のゲノム塩基配列解読
Nature Genetics
2014年1月20日
最も一般的な土壌伝播寄生虫で、ヒトとその他の動物に感染する鉤虫のゲノム概要塩基配列について報告する論文が掲載される。
土壌伝播寄生虫である蠕虫類は、顧みられない熱帯病(NTD)の主たる原因の1つで、全世界で推定10~20億人が感染している。蠕虫類は、汚染された土壌を介して伝播し、動物宿主の腸内に生息する。鉤虫には、全世界で推定7億人が感染しており、臨床的貧血、妊娠期栄養失調症、そして、小児の認知発達障害や身体発育障害などの症状を引き起こす可能性がある。
今回、Makedonka Mitrevaたちは、ヒト鉤虫の一種であるアメリカ鉤虫のゲノムの塩基配列解読を行い、ヒト宿主の感染とヒト宿主との相互作用、そして、吸血と生育に関与する遺伝子の特徴を明らかにし、この知見を利用して、薬物標的と新たな治療介入の候補に優先順位をつけた。また、タンパク質マイクロアレイを用いて、感染者の血液のスクリーニングを行い、抗鉤虫免疫応答の標的候補となる抗原を同定した。
doi:10.1038/ng.2875
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature