Research Press Release
脳腫瘍になりやすい自然の傾向
Nature Neuroscience
2013年10月21日
マウス脳の小脳領域にこれまで同定されていなかった前駆細胞群があり、ここはニューロンに較べて腫瘍を発達させやすい可能性があるという報告が、今週オンライン版に掲載される。
Zeng-jie Yangらは、新生マウスの小脳に、DNAの損傷修復の能力が減少している前駆細胞群を発見した。損傷したDNAを持つ細胞が分裂し細胞数を増やすと、腫瘍が生じる。これと同じように、今回新たに発見された、DNA修復能の減少している前駆細胞群は、腫瘍を生じる傾向がふつうよりも高い可能性がある。この発見は、腫瘍がDNAを傷める外的な要因により生じるとはかぎらず、発生過程で一部の細胞の持つ、もとからの傾向の結果である可能性も示唆している。
doi:10.1038/nn.3553
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change