Research Press Release
ルーシー泥噴火の自然の引き金
Nature Geoscience
2013年7月22日
2006年に始まり現在も続いているインドネシアのルーシー泥噴火は、2日前にその地域で起きた大地震により増幅された地震波が引き金になったという報告が、今週オンライン版に掲載される。これまでは、噴火は、石油会社の掘削により発生したと考えられており、会社が財政的責任を負っている。
Stephen Millerらは地震学データを用いてルーシー泥噴火の起きた場所の画像を作成した。彼らは泥の貯留層の蓋をしていた曲がった岩層を同定した。これまでは、その前に起きたヨグヤカルタ地震の地震波は泥噴火の引き金となるには弱すぎると考えられていたが、著者等は数値シミュレーションを用いて曲がった岩層が通過する地震波を増幅させ集中させることで、泥を液状化させるために十分な応力を生じさせて噴火の引き金となったことを示した。計算の結果は、掘削ではなく自然の原因が噴火の引き金となりえたことを示唆している。
doi:10.1038/ngeo1884
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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