Research Press Release
【ネットワーク】都市社会の緊密性がイノベーションを促進する
Nature Communications
2013年6月5日
都市部の人口密度の高い地域では、社会的絆の密度が高まり、それが、個人間の情報の流れを助長するという研究結果を明らかになった。そして、このことによって、アイデアの交流が促進され、こうした地域での生産性の向上とイノベーションにつながることが示唆されている。この結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
人口密度の高い都心は、高い犯罪率、有病率、環境汚染など明らかに不利な点が多いにもかかわらず、現在、多くの人々が居住している。都市部の人口密度は増え続けているが、都市部に居住する多数の人々が利点をもたらしている可能性とその過程については解明されていなかった。今回、Alex Pentlandたちは、人口密度の非常に高い都市部にも適用できる個人間の社会的絆の形成に関するモデルを提示している。そして、Pentlandたちは、このモデルに基づいて、人口密度と近接性が増すことで、社会的絆の数が加速的に増加することを示す証拠を明らかにした。
さらに、Pentlandたちは、都市部の生産性が、情報伝播の範囲と速度に関連しており、都心において社会的絆の密度が高いという特性が、この情報の流れを促進しているとする見解を示している。
doi:10.1038/ncomms2961
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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