Research Press Release
細菌ゲノムを直接的に組み立てるためのエラーのない長いリード
Nature Methods
2013年5月6日
数千塩基に及ぶ長いDNA配列のリードをエラーなく得る方法が、今週オンライン版で発表される。その方法では、一分子リアルタイム(SMRT)配列解読法を用い、標準配列によらずに細菌ゲノムを組み立てる工程を単純化することにより、それが生態学的、病理学的に担う役割に関する理解を深め、その進化をたどることができる。
通常、細菌ゲノムは、次世代配列解読機で得られる短いDNA配列をつなぎ合わせて組み立てられるが、それでは空白領域が残り、それを埋めるのは困難である。最近の複合的方法は異なる配列解読法を組み合わせ、一般的な次世代配列解読機で得られるような短いリードの組み立てで残される空白を、SMRT配列解読法の精度が劣る長いリードからの情報を利用して埋めている。この方法では、複数の配列解読ライブラリーと配列解読機が必要になる。
長いリードは多くの配列解読用途のために絶えず渇望されてきたが、エラー率がその有用性の妨げとなってきた。Jonas Korlachたちの方法は、同じライブラリーの短いリードを利用して長いリードのエラーを修正するもので、完全に自動化された工程で細菌ゲノムおよび細菌人工染色体をきわめて高品質に空白なく組み立てることを可能とする。この方法では、厄介な反復配列も効果的に処理される。
doi:10.1038/nmeth.2474
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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