【医学研究】喫煙がアルツハイマー病を悪化させる可能性
Nature Communications
2013年2月20日
タバコ煙に暴露したアルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルにおいて、この病気による脳内の異常が増えたことを報告する論文が、今週掲載される。この知見は、アルツハイマー病の環境的リスク因子と考えられるものについて新たな手がかりをもたらしている。
アルツハイマー病は、欧米の高齢者に最も多く見られる老人性認知症である。ニコチンがアルツハイマー病の病理に及ぼす影響に関しては、数多くの動物研究によって相容れない内容の報告がなされている。ヒトの疫学研究では、喫煙がアルツハイマー病の発症リスクを高める可能性のあることが明らかになっている。しかし、タバコ煙への暴露がアルツハイマー病の病理に及ぼす影響を直接調べる研究は、これまで行われていなかった。今回、C Sotoたちは、トランスジェニックマウスのタバコ煙への暴露によって、アルツハイマー病の典型的な脳内異常の一部(例えば、神経炎症とアミロイド斑や変異型タウタンパク質の蓄積)の重症度が高まることを見いだした。
Sotoたちは、アルツハイマー病の病理を悪化させる原因となる機構を解明し、人間にも同じ影響が観察されるのかどうかを明らかにするためには、さらに研究を続ける必要があることを認めている。それでも、今回の研究結果は、タバコ煙が重大な環境的リスク因子であり、それがアルツハイマー病だけでなく、ほかのタンパク質ミスフォールディング病(タンパク質折りたたみ異常による疾患)にも該当する可能性を明確に示している。
doi:10.1038/ncomms2494
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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