Research Press Release
【材料科学】リチウム硫黄電池の寿命を延ばす方法
Nature Communications
2013年1月9日
正極材に新しい卵殻構造を導入した長寿命のリチウム硫黄電池について報告する論文が、今週、掲載される。こうした新しい電極構造が創出されたことで、今後の高性能充電池の開発に道が開かれる可能性がある。
硫黄は、電池容量の理論値が高く、正極材として有望視されているが、時間がたつと溶けてしまうため、現在のところ、リチウム硫黄電池の実用性能は制約されている。今回、Y Cuiたちは、活性物質を効果的に保持する金属酸化物の殻に保護された拡大可能な硫黄中心を有する新しい正極ナノ構造体を開発した。これを用いた電池は、ほぼ理論的予測どおりの高い初期電池容量があり、1,000回以上の充放電サイクルが可能となっている。これは、これまでに開発されたリチウム硫黄電池の中で最高の性能だ。
doi:10.1038/ncomms2327
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature