Research Press Release
王を殺した地震
Nature Geoscience
2012年12月17日
カトマンズに破滅的被害をもたらし、ネパールのアバヤ・マラ王が亡くなった1255年の大ヒマラヤ地震は、後に1934年に起きた地震と同様に地球の表面を破壊したことが示された。以前は、大ヒマラヤ地震は地球の表面を破壊することはほとんど出来なかったと考えられていた。
Laurent Bollingerたちは、インドとアジアの二つのテクトニック・プレートを結びつけている主要な断層に沿った動きによりネパールの河川堆積物にずれが生じていることを検出した。放射性炭素年代決定を用いて、彼らは1255年と1934年に起きた大地震によりずれが生じたことを示しており、二つの地震が地表まで破壊が達したことを示唆している。この発見は、インドアジアの間の現在も続いている衝突の結果として地殻内に蓄積された歪みは数百年おきに発生する大地震の際に解放されていることを示唆している。
関連するNews and Viewsの記事でThomas Rockwellは「将来の研究で破壊の詳細を把握することは、世界中で最も人口密度の高い地震発生帯の1つで起きる地震災害に対する、より完全な見通しを作るために役立つ」と書いている。
doi:10.1038/ngeo1669
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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