Research Press Release
神経毒性オリゴマーを排除する
Nature Chemical Biology
2012年12月10日
SBMAは、運動ニューロンの喪失を伴う進行性の神経筋疾患であり、アンドロゲン受容体をコードする遺伝子のCAGヌクレオチド反復の伸長が原因である。この反復の伸長はポリグルタミン鎖を伸長させるため、タンパク質の折りたたみに異常をきたしてこのタンパク質の有害な蓄積を招く。
Andrew Lieberman、Jason Gestwickiたちは今回、Hsp70(タンパク質が分解されるかどうかを決定するシャペロン)を活性化させるある低分子が有害なタイプのアンドロゲン受容体(伸長したポリグルタミン鎖を含む)の分解を促進する能力を有することを、SBMAのハエモデルで明らかにした。研究チームは、その低分子が、補因子ADPと結合したHsp70の立体配座を安定化させてコシャペロンHipの活性を模倣することによって作用し、Hsp70とこの有害タンパク質との相互作用を増強することを明らかにした。
doi:10.1038/nchembio.1140
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change