Research Press Release
ねじれビームでテラビットデータを伝送する
Nature Photonics
2012年6月25日
自由空間を通して光波で毎秒テラビットのデータを伝送できることが、今週のNature Photonics電子版に報告されている。この研究は、高効率高帯域幅衛星通信リンクの開発に役立つかもしれない。
この技術では、らせん状の波面を持つ「ねじれ」光ビームでデータが伝送される。Jian Wang、Alan Willnerおよび共同研究者らは、ねじれの量(正式には軌道角運動量)の異なるビームを組み合わせることにより、自由空間を通して最高で毎秒2.56テラビットのデータを伝送できることを示している。また、ねじれビーム間でデータの分離や交換が可能であることを実証している。
光通信分野の研究者は、色や偏光の異なる光ビームを組み合わせることによりデータ転送速度を高速化することが多い。今回の新技術によって、軌道角運動量もこのような方法で利用できることが実証された。つまり、システムの速度と機能性をさらに向上させる新しい手段が得られたのだ。
doi:10.1038/nphoton.2012.138
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature