古生物学:飛べなかったジュラ紀の鳥が初期の生態的多様性を明らかにする
Nature
2026年10月15日
中国で新たに発見されたジュラ紀の鳥が、陸上で生活し、飛べなかったとみられることを示した論文が、Nature に掲載される。この発見は、最古の鳥類の生活様式がこれまで考えられていたよりも多様であり、すべてが飛行に適応していたわけではないことを示唆している。
約1億5000万~1億4800万年前に出現したジュラ紀の鳥類は、化石が希少なため、初期にどのように多様化したかを解明するのが難しい。飛行は現生鳥類を特徴づける性質であり、鳥類の初期進化において重要な役割を果たしたと考えられているが、ジュラ紀の化石が乏しいため、最古の鳥翼類(avialans)がどのように生息していたかを理解するのは難しかった。
Min Wangら(中国科学院〔中国〕)は、中国福建省で発見されたジュラ紀後期(約1億5000万~1億4800万年前)の新しい鳥類種Yuezhuornis yangyuanensisについて報告している。化石化した骨格の分析から、この生物は地上生活を送り、飛べなかったことが示唆され、最も早く分岐した鳥類の一つに位置づけられた。この生物の体重は、約821グラムと推定され、前肢は後肢より約3分の1短かった。377種の現生鳥類との比較から、その四肢の比率は、キジなどの地上性種を含む陸生鳥類に最も近いことが示された。また、研究者らは特徴的な趾骨を特定し、その形態から、この生物が非常に柔軟な第2趾をもっていたと推定した。この特徴は、ヴェロキラプトル(Velociraptor)などを含む捕食性恐竜の一群であるデイノニコサウルス類(deinonychosaurs)に見られるが、鳥類での存在はこれまで確実には示されていなかった。
著者らは、Yuezhuornisが初期の鳥類にはあまり利用されていなかった生態的ニッチを占めていたと考えている。この発見は、鳥類進化の最初期が驚くほど多様だったことを示す証拠をさらに積み重ねるものである。しかし、この種は1体の不完全な標本しか知られておらず、その生活様式と鳥類進化上の位置づけをよりよく理解するには、さらに多くの化石の発見が必要である。
- Article
- Published: 14 October 2026
Xu, L., Wang, M., Lin, G. et al. Jurassic flightless bird reveals early ecological diversity of avialans. Nature 658, 690–697 (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-10972-z
News & Views: Some Jurassic period birds were flightless
https://www.nature.com/articles/d41586-026-02645-8
doi:10.1038/s41586-026-10972-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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