生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれない
Nature
2025年8月7日
タコをその生息地で観察する新たな手法が、その体の動きに関する洞察をもたらすことを報告する論文が、Nature に掲載される。この発見は、野生のタコをモデルにしたより頑強な生体模倣型ロボットの設計に役立つ可能性がある。
タコはソフトロボティクスにとって大きなヒントとなっている。タコは8本の腕をそれぞれ独立して動かすことができ、各腕には数百の吸盤があり、これにより物体を容易に操作することができる。水族館でのタコの観察や実験室での個々の腕の観察は、バイオロボティクス設計に一部の手がかりを提供してきたが、タコ全体の動きを自然環境で詳細に観察することで、生物が一体となってどのように動くかをより深く理解できるようになる。
Kakani Katijarら(モントレー湾水族館研究所〔米国〕)は、カリフォルニア州沿岸のモントレー湾国立海洋保護区にある「オクトパス・ガーデン」で、水深3,000メートルを超える場所で、遠隔操作無人探査機を使用してタコの行動を監視した。著者らは、新型カメラ「EyeRIS」を使用して、15匹のタコの動きを3次元で記録した。カメラから得られたデータにより、著者らはタコの腕の運動に関連する運動学を研究し、特に曲率とひずみの領域を特定することができた。具体的には、研究者らはMuusoctopus robustus(真珠タコ〔pearl octopus〕)が、腕の先端を強く曲げて「足」を作り、その足で海底に固定しながら這う様子を観察した。
著者らは、この観察研究がソフトロボティクス設計における重要な知識のギャップを埋めるのに役立つ可能性があると指摘している。また、開発したEyeRISカメラが、他の水生生物や流体環境の非侵襲的モニタリングにも利用できると示唆している。
- Article
- Published: 06 August 2025
Katija, K., Huffard, C.L., Roberts, P.L.D. et al. In situ light-field imaging of octopus locomotion reveals simplified control. Nature (2025). https://doi.org/10.1038/s41586-025-09379-z
doi:10.1038/s41586-025-09379-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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