古生物学:初期の尾の短い鳥
Nature
2025年2月13日
中国で発見された最古の短尾の鳥を報告する論文が、今週のNature に掲載される。新しく発見されたこの種はジュラ紀後期のもので、長い尾羽を持つ始祖鳥(Archaeopteryx)の時代とほぼ同時期のものである。この発見により、現代の鳥類の象徴である長い尾羽の喪失時期が2,000万年近くも遡ることとなった。
ジュラ紀の鳥類の化石記録はまれであり、この時代(約1億5,000万年前)の原始的な鳥類として広く受け入れられているのは始祖鳥だけである。そのため、始祖鳥は、鳥類がどのように恐竜から進化したかについての洞察を提供している。しかし、歯が生えていたり長い尾があったりと、鳥類よりも恐竜との類似点の方が多い。鳥類の進化の初期段階において、短い尾は進化上の革新の顕著な特徴であり、体重の分布や飛行メカニズムなど生物学のさまざまな側面に影響を与えた可能性がある。
Min Wangらは、ジュラ紀後期(約1億4,990万–1億5,020万年前)に相当する中国福建省の政和(Zhenghe)動物群から、新種の化石鳥類を発見したと報告している。新種は、Baminornis zhenghensis(「Bamin」は福建省の古代名に由来する)と名付けられた。Baminornisは、現代の鳥類に見られるような極めて短い尾が特徴的であり、始祖鳥の長い尾とは対照的である。この特徴により、Barminornisは現時点で報告されているジュラ紀の短尾鳥(したがって最古の短尾鳥)であり、この派生した鳥の特徴の出現時期を2,000万年近くも遡らせることになる。Barminornisの発見は、ジュラ紀後期の鳥類の多様性を強調し、鳥類進化の重要な段階をより明らかにするものである。
- Article
- Published: 12 February 2025
Chen, R., Wang, M., Dong, L. et al. Earliest short-tailed bird from the Late Jurassic of China. Nature 638, 441–448 (2025). https://doi.org/10.1038/s41586-024-08410-z
doi:10.1038/s41586-024-08410-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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