Research Press Release
誤って誘導されたマクロファージ
Nature Immunology
2012年1月10日
アテローム性動脈硬化の原因となる重要な要因の1つ、動脈プラークにマクロファージがとどまる理由が明らかになった。この知見は、マクロファージの移動シグナルへの妨害がアテローム性動脈硬化の進行に重要である可能性を示しており、治療への手がかりになるかもしれない。 K Mooreたちは、通常はニューロンの移動を誘導するために用いられるネトリン-1という分子が、アテローム性動脈硬化マウスのプラーク中で活性化されたマクロファージからも放出されることを発見した。ネトリン-1による情報伝達によってマクロファージが化学誘引物質に向かう移動をやめてしまうため、マクロファージがプラーク内に滞留する。遺伝子操作によってネトリン-1を欠失させるとアテローム性動脈硬化の症状が軽減し、プラーク中にとどまるマクロファージ数も減少した。
doi:10.1038/ni.2205
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
音楽:1973年以降、人気楽曲の歌詞はよりネガティブになっているScientific Reports
-
海洋生態学:シャチはイルカを追跡してサケを狩るScientific Reports
-
考古学:意図的な火起こしの初期の証拠Nature
-
医学:断食がマウスにおける乳がんのホルモン療法への反応改善と関連するNature
-
遺伝学:14の精神疾患に共通する遺伝的シグナルNature
-
考古学:ローマの建築技術に関する明確な証拠Nature Communications
