Research Press Release
高出力のグルコースバイオ燃料電池
Nature Communications
2011年6月29日
これまでで最高性能のグルコースバイオ燃料電池が発表された。この電池は、カーボンナノチューブディスクに酵素(グルコースオキシダーゼとラッカーゼ)をそれぞれ固着させて作り出したもので、クリーンな資源からエネルギーを効率的に生成する1つの方法となるかもしれない。研究成果の詳細は、今週、Nature Communicationsに発表される。バイオ燃料電池は、酵素を用いて、室温と中性pHでエネルギーを生成するため、化石燃料の使用量削減につながる。これまでに、数々のグルコースバイオ燃料電池が作られてきたが、出力が低いことや長期間使用すると出力が不安定になるといった問題があった。今回、S Cosnierらは、カーボンナノチューブを用いて、酵素から電極表面に電子を直接移動させるバイオ燃料電池を作製した。出力密度が1平方センチメートル当たり最大1.3ミリワット、開路電圧が0.95 Vで、それが少なくとも1か月間は安定である。これまでに報告された中で最も効率的なバイオ燃料電池だ。
doi:10.1038/ncomms1365
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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