Research Press Release
ウェットなエネルギー収集
Nature Communications
2011年8月24日
移動する液滴からエネルギーを得る方法が考案された。この方法は、安価で環境にやさしいエネルギー収集・貯蔵法として、電池の代わりとなる可能性がある。その詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
現在のところ、電池のコストと電池による環境汚染のために、携帯電話などの携帯用電子機器の性能が制約を受けている。力学的エネルギーを電気に変換することによる強力な携帯エネルギー収集方法は、環境にはやさしいのだが、これまでのところ、変換速度が速くないという問題が残っている。今回、T KrupenkinとA Taylorは、逆エレクトロウェッティングによって力学的エネルギーを電気に変換する方法を開発して、この問題点を克服した。
この技術は、誘電体薄膜内に封じ込められた極微液滴の移動によるもので、従来の電池に匹敵する高い出力密度を実現できる。
doi:10.1038/ncomms1454
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change