Research Press Release
時間の量子論的解釈と相対論的解釈の峻別
Nature Communications
2011年10月19日
時間の量子論的解釈と相対論的解釈の峻別を検証する方法を提案する論文が、今週、Nature Communicationsに発表される。これによって、量子効果による一般相対論的時間の変化を測定することに道が開けるかもしれない。
一般相対性理論によれば、時空間の幾何学的性質によって時間の流れる速さが変わる。このことは、実験によって精密に検証されたが、量子効果が意味をもつ場合については検証されていない。今回、M Zychたちは、内部自由度が時間発展する粒子(すなわち「量子時計」)でそのような検証を行う方法を考案し、この粒子の重力ポテンシャル中での振る舞いは、一般相対論的時間を用いなければ説明できないという予測を示した。
量子力学と一般相対性理論は、異なる前提に立脚しているため、Zychたちの提案は、両者の相互作用に関する物理学者の理解に非常に大きな影響を与える可能性がある。
doi:10.1038/ncomms1498
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
遺伝学:ブチハイエナの遺伝的特徴に社会的地位が反映されていたCommunications Biology
-
環境:コロラド川の水の半分以上は農地の灌漑に使用されているCommunications Earth & Environment
-
加齢:老齢マウスに「若々しい」免疫系を取り戻させるNature
-
気候変動:極域の氷融解が世界の基準時刻に影響を及ぼす可能性Nature
-
生態学:温暖化と乾燥によってハチ類の多様性が脅かされているNature
-
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications