環の振動から明らかになった土星の拡散したコア
Nature Astronomy
2021年8月17日
土星の環の振動が、土星内部の構造を解明する上で手掛かりになることを報告する論文が、Nature Astronomy に掲載される。探査機カッシーニのデータから、土星は、はっきりとした境界のない、不明瞭な、つまり拡散したコアを持っていて、このコアが、その後の土星の形成と進化に制約を与えてきたことが明らかになった。
巨大惑星の内部構造は一般に、それらの軌道を周回する探査機によって観測される重力場の構造を詳細に調べることで決定される。しかし、惑星の最も中心に位置するコアが惑星の重力場に誘起する摂動は非常に弱く、従って内部構造を決定し得る精度には限界がある。
今回、Christopher MankovichとJim Fullerは、ガス巨大惑星である土星を調べた。土星は一般に、水素とヘリウムを主成分としたエンベロープに取り囲まれた金属のコアを持つと考えられている。著者たちは、重力データと土星の環の振動観測データを組み合わせることで、土星の内部構造についての新たな知見を得た。彼らは、土星のコアが、これまでの推測よりもかなり大きく、その半径のおよそ60%まで広がっていて、コアとエンベロープが明確に分離しているのではなく、コアが重元素と結び付いた水素とヘリウムの拡散混合物からなることを明らかにした。
著者たちは、土星の内部構造がどのように形成されたかを明らかにすることは、標準的な惑星形成モデルにとっての課題であり、土星の質量降着史に関する重要な制約をもたらすと結論付けている。
doi:10.1038/s41550-021-01448-3
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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