Research Press Release

【神経科学】青年期に線条体の活動が高まると学習成績が伸びる

Nature Communications

2017年12月20日

Neuroscience: Changes in brain activity during adolescence benefits learning

リスクを負う行動が顕著になることと関連付けられてきた脳領域の活動が青年期に高まると、フィードバック学習の成績が向上すると考えられることが明らかになった。この新知見は、青年期が人生においてフィードバック学習の成績がよくなる特異な時期である可能性のあることが示唆されている。この研究成果を記述した論文が、今週掲載される。

報酬に敏感な脳領域(線条体)の反応が青年期の一時期に強くなる傾向のあることは、これまでの研究で明らかになっている。ところが、こうした活動の高まりは、リスクを負う行動が顕著になることや健康転帰が悪いことと関連付けられるのが一般的だった。今回、Sabine PetersとEveline Croneは、この線条体の反応の高まりにプラスの面もあることを明らかにした。今回行われた研究は、230人以上(評価段階によって変動あり)の被験者(8~25歳)を対象とし、それぞれの被験者にフィードバック学習課題(良い成績を挙げると報酬としてポジティブ・フィードバックを与えた)を実行させ、その際に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で脳を画像化した。この検査は、1人の被験者につき3度実施され、8~25歳の被験者に関する時系列データが収集された。

今回の研究結果は、線条体の活動がフィードバックに応答しており、この応答が17~20歳の時期に最も強かったことを示している。また、学習課題を実行する際にフィードバックに対して敏感だった被験者の方が、その当時とその後の学習成績が高かった。以上の結果をまとめると、通常は青年期の好ましくない行動と関連付けられる報酬に対する感受性の亢進をプラスに利用することが可能で、実際に学習成績が向上することが明らかになった。

doi:10.1038/s41467-017-02174-z

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度