Research Press Release
アンデス山脈東部の予想以上に高い地震危険度
Nature Geoscience
2011年5月9日
南サブアンデス山脈地帯に住む200万人以上の人々は、これまで考えられていたよりも高い地震危険度にさらされているという研究成果が示された。予想される最大の地震のマグニチュードを7.5と見積もった最近の災害評価とは逆に、この論文ではその地域ではマグニチュード8.7から8.9の地震が起きうると見積もっている。 Benjamin BrooksらはGPSデータを用いて、アンデス山脈東斜面に沿ったサブアンデス縁辺域で地球表面の動きを調査した。彼らは、西から東にかけて地表の速度が急激に減少していると報告している。これらのデータから、著者らはこの地域の東側浅部は現在約100kmの長さにわたって固着しており、その地域でテクトニックプレートがゆっくりと互いに逆方向に動くにつれて応力が高まることになると結論している。固着した部分全体が1回の地震で破壊すると最大でマグニチュード8.9の地震の揺れを起こすと彼らは見積もっている。
doi:10.1038/ngeo1143
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature