Research Press Release
ヒトADHDに結びつく遺伝子
Nature Medicine
2011年4月18日
脳のタンパク質GIT1をコードする遺伝子の特殊な型がヒトの注意欠陥多動性障害(ADHD)に関連するとの報告が寄せられている。
ADHDは多動性と学習、記憶障害を特徴とし、子どもと成人、両方に見られる。 E Kimたちは、GIT1遺伝子の多型(遺伝子の型)の1つがヒトADHDのリスクを増加させることを発見した。おそらくは、GIT1タンパク質の発現量を低下させるためだろう。GIT1欠失マウスはADHDに似た行動を示すが、この症状は、ヒトのADHDの治療に用いられる精神刺激薬によって緩和される。また、このマウスは抑制性神経伝達にも異常がある。この異常が、GIT1のADHDに関連する多型をもつ個体に見られる行動異常を引き起こす機構の1つである可能性が示唆される。
doi:10.1038/nm2330
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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