Research Press Release
抗菌薬にもいろいろ
Nature Chemical Biology
2011年4月11日
既存の治療薬に耐性を示す細菌感染に対処することができる抗菌化合物群が、Nature Chemical Biology(電子版)で発表される。
自然界で細菌が産生する小分子には抗菌薬として機能するものが多く、そのような化合物を生成する酵素が同定されると、その化合物が極めて大量生産しやすいものとなることもあれば、その酵素が少し異なる用いられ方をするものである場合には、高い薬効を維持する極めて類似した化合物が得られるようになることもある。
T-L Liたちは、テイコプラニンおよびバンコマイシンに類似のグリコペプチド抗生物質を生成するのに必要な酵素を研究している。その酵素がグリコペプチド基質を変化させるのに利用するステップに関して洞察を得ることにより、研究チームは新化合物群を作り出すことに成功し、その一部は細胞での検定およびマウスで良好な抗菌活性を示している。
doi:10.1038/nchembio.556
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change