女性のポスドクの半数にしか卓越した推薦状が出ないとの推定
Nature Geoscience
2016年10月4日
北米の競争的な大学における地球科学のポスドク・フェローシップに対して卓越した推薦状を書いてもらえる女性は男性の半分程度のようであるとの報告が掲載される。さらに、推薦人が男性か女性かによって違いはなかったため、無意識の性差による偏向が男性と女性に等しく影響を及ぼしていることが示唆される。
地球科学分野で、博士号を取得した女性は全体の40%を占めるが、正教授職では全体の10%を占めるに過ぎない。女性科学者を目指す過程において、ポスドクの時代が最大の漏出箇所であるとみられている。
Kuheli Duttたちは、極めて競争の激しい地球科学分野のポスドク・フェローシップに対する54か国の452人の応募者に対して、1,101人の推薦人が書いた1,224件の推薦状のデータを分析し、特にその長さと文調を評価した。彼らは、推薦人の地域と性別および推薦状の長さを調整した後に、女性の応募者が、妥当な内容以上の卓越した推薦状を書いてもらえるのは半数に過ぎないことを明らかにした。著者たちは応募者の能力をコントロールすることはできないが、男性と女性がほぼ同じ割合で疑わしいとみなされる内容の推薦状を受け取っており、このように評価されるものは推薦状全体のわずか2.5%であると述べている。
著者たちは、女性は地球科学分野で経歴を開始した時点から不利に扱われていると結論づけており、この結果がこのような性別による偏りに対する意識を喚起し、女性を科学、技術、工学および数学分野で雇用し留まらせるための手始めとなることを期待している。
doi:10.1038/ngeo2819
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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