Research Press Release
【材料科学】自己集合する構成ブロック
Scientific Reports
2015年7月31日
三次元多角形に自己集合できる積み木について記述された論文が、今週掲載される。これらの積木は、自己集合プログラムのアルゴリズムにより、かき混ぜるだけで三次元物体を構築する。
複雑な形状を作り出す場合には、現在は組立ラインが利用されており、こうした形状を構築するための情報(例えば、訓練を積んだ人員や自動組立機)が必要となる。これに対して、自己集合は、複雑な製作工程の情報コストを下げる方法となる可能性がある。プログラム可能な自己集合が分子スケールからマイクロメートルスケールで実証されているが、マクロスケールの物体の自己集合プログラムのアルゴリズムは知られていない。
今回、Ido Bacheletたちは、三次元の筒状の物体に自己集合する18個の4面体の積木を作製した。それぞれの積み木の表面は相補的な形状になっており、この筒状物体を構築するルールが示されている。積み木には磁石が埋め込まれており、お互いに引き付け合うようになっている。複数の積み木を容器に入れてかき混ぜることで、物体の自己集合が誤差ゼロで実現された。Bacheletたちは、この改良された設計によって組立ラインなしで物体の迅速な作製が可能になると考えている。
doi:10.1038/srep12257
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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