注目の論文
レーザー駆動粒子加速器で生成されるX線
Nature Physics
2009年9月28日
X-rays produced by laser-driven particle accelerator
従来のシンクロトロンの数百分の一の大きさの波長可変型X線源が、Nature Physics(電子版)に報告される。今回の実証結果は、創薬、材料科学、生物学、ナノテクノロジーや基礎物理の研究にますます重要になりつつあるツールである、コヒーレントな超高速X線パルス源の価格を下げ、利用しやすくすることへの大きな一歩である。
シンクロトロンや自由電子レーザーなどの高強度X線源では、光速に近い速度で動く電子のパルスを生成するのに、大きな粒子加速器を必要とする。生成された高速電子のパルスはアンジュレーターとよばれる構造体に注入され、コヒーレントな放射光の高強度パルスが放射される。このようなX線源は、構成要素である加速器の大きさが一般的に直径数百メートルであり、価格は10億ドルになることもあるため、これまでに数十台ほどしか作られていない。
M Fuchsたちは、このような従来型の加速器を、いわゆるレーザープラズマ航跡場加速器に置き換えた。これは、高強度レーザーを使って、わずか数センチメートルの距離で高エネルギー電子のビームを発生させる。はるかに小さくかつ安くなるため、レーザー駆動X線源を個々の大学が建設し、維持するのはかなり容易になるはずである。
doi: 10.1038/nphys1404
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