注目の論文
【画像化】抗がん剤の作用過程が見える
Nature Communications
2013年2月20日
Imaging: Watching anti-cancer drugs in action
生きた動物における薬物の分布を細胞以下のレベルで明らかにしたことを報告する論文が、今週掲載される。この新知見は、体内における薬物の分散過程と作用過程について解明を進めるうえで役立つものと考えられる。
体内での薬物の分布を説明する現在のモデルは、細胞レベルの分解能がなく、個々の細胞における挙動の違いを説明できない。こうした違いの原因は、遺伝的特性や隣接する細胞間での相互作用である可能性がある。今回、R Weisslederたちは、生体内画像化とモデル作製を組み合わせるアプローチによって、マウスの腫瘍細胞における抗がん剤オラパリブの蛍光類似体の分布を解析し、その結果をヒトにおける類似の状況と比較した。Weisslederたちは、今回の研究結果が、最近の臨床試験でオラパリブの効果が認められなかった理由に関するヒントになるかもしれないと考えている。
Weisslederたちは、その高分解能の方法を他の薬物にも適用でき、さまざまな疾患状況での薬物の作用を解明するうえで有用となる可能性も示している。
doi: 10.1038/ncomms2506
注目の論文
-
12月5日
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
12月4日
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
12月4日
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
11月27日
惑星科学:火星における雷の証拠Nature
-
11月25日
天文学:沸騰する海と地殻変動の圧力によって氷の衛星が再形成されるNature
-
11月13日
人工知能:数学競技でメダル級のAIシステムNature
