注目の論文
酸素にアリバイ
Nature Chemical Biology
2012年11月12日
Oxygen gets an alibi
燃料電池で水素ガスの生成に応用されるヒドロゲナーゼに関して酸素が果たしている役割が、今週のNature Chemical Biology(オンライン版)に掲載される論文で詳説される。
NiFeヒドロゲナーゼはプロトンから水素ガスへの変換、およびその逆反応に利用可能であるため、理論的には、燃料電池やそれと同様の環境配慮型プロセスに利用することができる。しかし、この酵素は酸素に接すると不活性化するのが普通である。過去の研究では、酸素がNiFeの活性部位にリガンドとして取り込まれ、除去されるまで活性部位を閉鎖するというモデルが提唱されている。
Sebastien Dementinたちは今回、酸素が金属から電子を受け取ることで確かに活性部位と相互作用しているものの、活性部位にとどまってはいないことを明らかにしている。また、電子を受け取る能力を持つほかの化合物も、同じくこの酵素を阻害することができる。ヒドロゲナーゼの機能に関するこの新しいモデルにより、今後の応用法ではこの不活性化が的確に回避されるようになる可能性がある。
doi: 10.1038/nchembio.1110
注目の論文
-
7月25日
コンピューターサイエンス:生成AIのデータで訓練されたAIモデルが崩壊する可能性Nature
-
7月25日
天文学:JWSTが観測した巨大惑星Nature
-
7月23日
環境:機械学習による気象と気候予測の改善Nature
-
7月18日
工学:太陽電池で動く小型飛行ロボットNature
-
7月17日
天文学:タイタンの海を調査するNature Communications
-
7月16日
惑星科学:月の地下に探索できそうな洞窟の通路を発見Nature Astronomy