注目の論文
シリコンナノシリンダーを用いた反射防止コーティング
Nature Communications
2012年2月22日
Antireflection coatings from nano-scale silicon cylinders
ナノシリンダーを用いた反射防止コーティングの概念が実証された。このシリコンベースの構造体は、数多くの材料からの反射を低減できる可能性があり、太陽電池など数々の光学デバイスへの応用に有望といえる。その詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 光学デバイスやオプトエレクトロニクスデバイスで入射光を最大限利用するうえで、反射の低減は非常に重要だ。そのための方法は数多く存在しているが、低減効果の得られる波長領域が狭いことが多い。今回、A Polmanたちは、シリコンウエハー上にシリコンナノシリンダーを並べてできた反射防止層を実証した。この微小なシリンダーは、効率的な散乱体として作用し、配置された表面上に強く結合している。これにより、ウエハーへの方向での光の選択的散乱が起こる。その結果、可視領域全体から近赤外領域での平均反射率が1.3%となり、それより長い波長領域では、この反射防止層の透過率は100%に近かった。 このように高い透過率と低い反射率を示したナノシリンダーによるコーティングは、すべての種類のオプトエレクトロニクスデバイスと光の結合を改善する効率的な方法になるかもしれない。
doi: 10.1038/ncomms1691
注目の論文
-
10月29日
人工知能:生成AIは2030年までに約1,000倍の電子廃棄物を生み出すかもしれないNature Computational Science
-
10月24日
人工知能:AIが生成したテキストへの透かし処理Nature
-
10月24日
ナノテクノロジー:DNAデータストレージの効率化Nature
-
10月17日
天文学:マッサリア小惑星族は隕石の主な源かもしれないNature
-
10月10日
気候変動:気候オーバーシュートのリスク評価Nature
-
10月10日
量子コンピューティング:量子回路の複雑性を探るNature