注目の論文
ナノスケールのシリコン球で光を閉じ込める
Nature Communications
2012年2月8日
Trapping light with nano-scale silicon spheres
ナノメートル厚のシリコンシェル層を用いた新しい光閉じ込め法が発表された。これは、超薄膜コーティングを用いた太陽電池のようなデバイスの吸収特性を高めるための方法となる。詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 光学デバイスの吸収特性を制御することは、そのデバイスの性能を最大限引き出すうえで非常に重要だ。そのための方法は数多く存在しており、その一つが、デバイスの表面上に特別な構造をもった層を形成する方法だが、多くの用途においてコスト高や層が厚すぎるといった問題がある。今回、Y Cuiたちが開発したのは、球状のシリコンナノシェルの層を用いた新しいタイプの吸収構造だ。このシェルは、サブ波長サイズであることと球状であることによって、同等の平坦試料より吸収特性が優れている。厚さ50ナノメートルのシェルの単層は、ミクロン厚のシリコン膜と同等の特性を有し、これによって作製時間の短縮と材料の節約を図ることができる。 こうした構造には柔軟性と単純性が備わっており、これによって、太陽電池から光検出器までのさまざまな光学デバイスの光管理が向上する可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms1664
注目の論文
-
7月24日
テクノロジー:ブレスレットが手ぶりをコンピューターのコマンドに変換するNature
-
7月24日
考古学:AIがラテン語の碑文を復元し、文脈を明らかにするNature
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
7月10日
惑星科学:太陽系最大の衝突から得られた知見Nature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature