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気候:ヒマラヤで洪水にさらされる人口を推計

Scientific Reports

2026年10月9日

Climate: Population at risk of Himalayan floods estimated

Scientific Reports

ネパール、インド、中国のヒマラヤ地域では、潜在的な洪水にさらされる地域に約30万人が居住していると推定される。オープンアクセスジャーナルScientific Reports に掲載される研究では、潜在的な洪水にさらされる区域内で建物が占める総面積が、2016年から2023年にかけて約45%増加したことも示された。

ヒマラヤの洪水は、おもに季節的なモンスーンや極端な降雨によって発生する。また、まれに、壊滅的な土石流や氷河湖からの洪水(氷河湖決壊洪水)が発生することもある。気候変動によって、こうした現象は激化すると予測されている。また、山岳地帯の急峻で狭い谷では、洪水時の水位が上昇し、その後の影響が増幅されることがある。しかし、この地域で洪水の危険にさらされている人々の数は依然として不明確である。

C. Scott Watsonら(リーズ大学〔英国〕)は、ネパールと、インドおよび中国の隣接地域を対象に、建物と人々の潜在的な洪水への曝露が2016年から2023年にかけてどのように変化したかを評価した。調査対象は、ヒマラヤ地域の1361の湖から下流50キロメートル以内の地域である。著者らは、手作業で作成した参照データを用いて5つの建物フットプリントデータセットを検証し、これらの地域で建物が占める総面積を推定した。ここでいう建物フットプリントとは、既存のすべての建物の基部が占める面積を指す。河川水路との標高差が50メートル以内にある建物の推定面積は、12.38 平方キロメートルから18.04 平方キロメートルへと45.75%増加した。この面積は、潜在的な洪水への曝露を示す代用指標として用いられた。氷河湖決壊洪水のリスクが高い地域では、建物が占める面積は0.72 平方キロメートルから1.28 平方キロメートルへと77.78%増加した。

著者らは、算出した建物面積にもとづき、2026年には約29万3800人(調査地域の人口の18%)が、潜在的な洪水にさらされる建物に居住していると推定した。ネパールでは、推定10万8500人が該当し、このうち2万2800人は、河川水路との標高差が10メートル以内の地域に居住している。潜在的な洪水にさらされる区域内の人口は、2015年から2030年の間に1万7900人(6%)増加すると予測されている。

著者らは、建物が占める総面積と人口増加の推定値には、いずれも大きな不確実性があると注意をうながしている。リスクをより正確に算出するには、精度の高い建物データベースが必要だと強調している。

Watson, C.S., Rawlins, L.D., Chand, M.B. et al. Increasing exposure to potential flooding in high-mountain catchments. Sci Rep 16, 29730 (2026). https://doi.org/10.1038/s41598-026-70268-0

 

 

doi: 10.1038/s41598-026-70268-0

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