天文学:宇宙の暗黒物質の詳細な地図
Nature Astronomy
2026年1月27日
Astronomy: A detailed map of the Universe’s dark matter
宇宙の質量分布を超高解像度で描いた地図を報告する論文が、Nature Astronomy に掲載される。これは、過去100億年にわたり、暗黒物質(ダークマター)が銀河の成長に与えた影響を明らかにする。この地図の解像度は、これまでの地図の2倍以上で、宇宙進化のより初期の段階までさかのぼる。これにより、約80億~110億年前の宇宙における星形成最盛期における暗黒物質の性質や銀河環境モデルを検証するうえでの基準となる。
宇宙の物質の約85%を占める暗黒物質は、光を放出も吸収もしないため検出が困難で、従来の望遠鏡では見えない。しかし、その重力は、遠方銀河からの光の経路に影響を与える。科学者は、膨大な数の遠方銀河の形状に生じるわずかな歪みを測定することで、その性質に関わらず、中間にある質量の分布を追跡できる。既知の明るい構造との比較により、暗黒物質が存在するべき場所が明らかになる。ハッブル宇宙望遠鏡などにもとづくこれまでの地図は、解像度、感度、あるいは観測範囲のいずれかが不足しており、宇宙網における最大かつ最も質量の大きい構造のみをとらえることに制限されていた。
Diana Scognamiglioら(カリフォルニア工科大学〔米国〕)は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST:James Webb Space Telescope)の画像を用いて約25万個の銀河の形状を測定し、宇宙の連なる領域においてこれまでで最も詳細な質量分布図を再構築した。この地図は、従来の望遠鏡では暗すぎたり、遠すぎたりして観測できなかった、巨大な銀河団や暗黒フィラメント橋(ガスや銀河が分布する暗黒物質の束で、宇宙の骨格構造を形成する)のネットワーク、および低質量銀河団を明らかにした。これらの構造は、宇宙を貫く暗黒物質フィラメントの密な結節点で銀河が形成されると予測する主要な宇宙論モデルと一致している。
著者らは、これらの地図が銀河の進化と宇宙構造の成長に関する研究にとって貴重な資源となると示唆している。
- Article
- Published: 26 January 2026
Scognamiglio, D., Leroy, G., Harvey, D. et al. An ultra-high-resolution map of (dark) matter. Nat Astron (2026). https://doi.org/10.1038/s41550-025-02763-9
doi: 10.1038/s41550-025-02763-9
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