注目の論文

これまでで最も効率の高いシリコン太陽電池

Nature Energy

2017年3月21日

Energy: Most efficient silicon solar cells yet

太陽光を電力に変換する効率が初めて26%を超えたシリコン太陽電池が、今週のオンライン版で報告される。この太陽電池は、26.3%という認証変換効率を達成している。これは、シリコン太陽電池の効率がこれまで以上に高いことを示しており、より効率の高いシリコン太陽電池パネルが間もなく実現されることを示唆している。

2050年までに、世界の一次エネルギー需要の20%以上を太陽光発電の電力が占めるようになると見積もられている。しかし、シリコン太陽電池が光を電力に変換する効率(光電変換効率)の向上は、シリコン太陽電池のさらなる普及に不可欠なステップである。

今回、吉河訓太たちは、工業生産に適したプロセスを用いて、太陽光の収集と太陽光の電流への変換を同時に増大させるよう設計した単結晶シリコン太陽電池を作製した。その結果、光電変換効率をこれまでの記録(25.6%)と比べて2.7%向上させることができた。最後に著者たちは、シリコン太陽電池の変換効率の理論的な限界である29.1%に近づける道筋も提案している。

今回の研究は、シリコン太陽電池の変換効率の記録を破るものであるが、個々の太陽電池を組み立てて、商用の太陽電池パネルを作るにはさらなる取り組みが必要である。

doi: 10.1038/nenergy.2017.32

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度