注目の論文
便利な紫外レーザー
Nature Photonics
2008年7月28日
Ultraviolet convenience
CDやDVDプレイヤーにみられるような電気的に駆動される半導体レーザーダイオードは、非常に便利なレーザー光源である。しかし、それらの動作波長はまだ紫外域(UV)に深く入り込んでいない。Nature Photonics(電子版)に発表される論文では、吉田治正らが、これまで報告された中で最も短い342 nmの波長で動作するAlGaNレーザーダイオードについて報告している。
この成果は重要である。なぜなら、生物医学、データ記憶、材料加工の分野に、短波長UVレーザーを必要とする多くの用途があるからである。現在のブルーレイディスクに続く次世代光データ記憶システムは、短波長UVレーザーダイオードを必要とするかもしれない。加えて、マイクロチップ製造用半導体リソグラフィーも、UVレーザーを必要とする。さらに、生体系内の蛍光はUV光で励起されるのである。
重要なのは、吉田らが開発したレーザーがインジウムを含まないことである。インジウムは、通常、UVレーザーダイオードの効率を向上させるために添加されるが、デバイス動作を長波長に制限する。今回の実証で、室温で動作する実用的な高効率インジウムフリーUVレーザーダイオードを作製できることが明らかである。そのデバイスは、パルス電流で駆動されるとミリワット域のパワーを放出する。
doi: 10.1038/nphoton.2008.135
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