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保全生物学:21世紀に予想されるヨーロッパのマルハナバチ個体群の衰退
Nature 628, 8007 doi: 10.1038/s41586-023-06471-0
生息地の破壊と気候変動は地球規模で野生生物急減の中心的な駆動要因として働いており、この生物多様性の低下が今後数十年の間に加速することを示す証拠が増えている。今回我々は、北半球の作物生産額への寄与が最高レベルと評価される一方で絶滅が危惧されている花粉媒介者であるマルハナバチ類に関して、過去、現在、未来のヨーロッパでの生態学的適合性を定量化した。その結果、マルハナバチの個体群はヨーロッパの大半の地域で1900年以降一貫して衰退していることが明らかになり、気候変動および土地利用変化に関する将来のシナリオ全てにおいて、将来生息域が大規模に縮小して種が局所的に絶滅することが示された。調査対象となったヨーロッパのマルハナバチ類のうち、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストで現在「低懸念(LC)」に分類されている種の38〜76%では、2061〜2080年には2000〜2014年と比べて、生態学的に適した地域が少なくとも30%失われると予想された。全てのシナリオは、スカンジナビアの一部がヨーロッパのマルハナバチ類のレフュジア(避難地)となる可能性を示しているが、そうした地域が、現在のモデルでは考慮されていないさらなる人為的ストレッサーと無縁でいられるかどうかは不確かである。今回の結果は、人為的な生物圏の改変からマルハナバチ類を守るための有効な手段として、地球規模の変化を緩和する政策の役割が極めて重要であることを浮き彫りにしている。

