進化学:三畳紀のステム群アシナシイモリ類が裏付ける現生両生類のディッソロフス類起源
Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05646-5
現生の両生類(平滑両生類)には、カエル類(無尾類)とサンショウウオ類(有尾類)からなるBatrachia(無尾・有尾類)と、肢がなく蠕虫に似たアシナシイモリ類(無足類)が含まれる。無足類と無尾・有尾類の分岐年代は分子的には古生代と推定されているが、これまでに発見されているクラウン群平滑両生類の化石は三畳紀のものが最古であり、それ以前の化石記録に大きな空白があることが示唆されている。最近の研究では、単系統の無尾・有尾類がディッソロフス類分椎類の内部に位置付けられたが、アシナシイモリ類はジュラ紀以前の化石が欠如していることから、アシナシイモリ類と無尾・有尾類との類縁関係、そしてアシナシイモリ類と古生代の四肢類との近縁性には議論がある。今回我々は、米国アリゾナ州の後期三畳紀の地層で発見された、地質学的に最古のステム群アシナシイモリ類となるクラウン群平滑両生類を報告する。これは、アシナシイモリ類の化石記録を約3500万年さかのぼらせるものである。一連の化石からは、初期のアシナシイモリ類の形態的・機能的進化の速度と様式が明らかになり、二重の閉顎機構、眼窩の縮小、触手器官といった、現生のアシナシイモリ類に見られる掘削性と関連した筋骨格的特徴が、遅い時期に獲得されたことが示された。これらの化石の出土地は、アシナシイモリ類がパンゲア超大陸の赤道地域に起源を持つことを示しており、現生のアシナシイモリ類の生物地理学的分布が、アシナシイモリ類の機能および生理の保存された側面と、プレートテクトニクスによって駆動された分断のパターンを反映していることが示唆された。今回の化石からは、アシナシイモリ類に固有な特徴の組み合わせと共に、無尾・有尾類やディッソロフス類分椎類と共通する特徴も明らかになり、これは、現生両生類がディッソロフス類分椎類の内部に単一の起源を持つことを支持する強力な新証拠となる。

