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保全生物学:爬虫類の世界的なアセスメントで明らかになった四肢類における保全ニーズの共有性

Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04664-7

種の絶滅リスクに関する包括的なアセスメントによって、絶滅の危機が立証され、そうしたリスクを低減させるための戦略が支えられてきた。四肢類のうち、両生類の40.7%、哺乳類の25.4%、鳥類の13.6%が絶滅の危機に瀕していることが、世界的なアセスメントで明らかにされている。しかし、爬虫類については世界的なアセスメントが行われておらず、そのため、爬虫類はこれまで他の四肢類を網羅する保全の優先順位決定の分析には含まれていなかった。爬虫類は乾燥地域でことの外、多様であることから、別の保全ニーズがある可能性が示唆されている。本論文では、爬虫類の包括的な絶滅リスクアセスメントの結果を提示し、1万196種のうち少なくとも1829種(21.1%)で絶滅が危惧されることを明らかにする。これは、既報の推定を裏付けるものであり、156億年分の系統的多様性に相当する。気候変動が及ぼす脅威はいまだ定かではないが、爬虫類を脅かしている主な要因は、他の四肢類を脅かしているもの(農業、森林伐採、都市開発、侵入種)と同じである。我々の予想に反して、そうした脅威が最も強い森林に生息する爬虫類は、乾燥した生息地の種以上に脅かされていることが分かった。生息範囲が最小級の絶滅危惧爬虫類は、他の絶滅危惧四肢類から孤立して生息する傾向にあるが、概して鳥類、哺乳類、両生類は、爬虫類の保全に関して予想外に有効な代用指標となる。ワニ類やカメ類の大半の種を含む一部の爬虫類には、絶滅を防ぐための的を絞った緊急の対策が必要だが、生息地の保存や取引・侵入種の管理といった、他の四肢類を保護するための取り組みは、多くの爬虫類にもおそらく有益と考えられる。

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