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社会科学:心理社会的および資本的な制約への対処による貧困の緩和

Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04647-8

多くの政策によって、非常に貧しい世帯が持続可能な収入源を築くのを手助けする試みが進められている。歴史的には経済的な介入が主流だが、心理社会的な支援にも大きな関心が寄せられており、とりわけその費用対効果が注目されている。最近の研究では、多面的な「卒業」プログラムが、持続的な変化を生み出すのに成功し得ることを示す証拠が得られている。今回我々は、多面的な介入が、資本的および心理社会的な制約の緩和によって、極度の貧困から抜け出す道筋を開き得ることを示す。我々は、ニジェール共和国において、政府による全国的な現金給付プログラムにすでに登録済みの非常に貧しい女性受益者を対象に、4群の無作為化評価を実施した。3つの処理群には、グループ貯蓄の促進、コーチング、起業訓練が含まれ、さらにそれらに、助成金の一括支給、心理社会的介入、あるいは現金助成金と心理社会的介入の両方が追加された。その結果、これら3群全てにおいて、経済的成果と心理社会的な福祉に対する正の効果が見られたが、そうした効果の経路とタイミングには顕著な違いが見られた。総合的に、心理社会的介入を伴う処理群で最も費用対効果が高く、これは、極度の貧困層に対する政府主導の多面的介入において、適切に設計された心理社会的要素を含めることの価値を浮き彫りにしている。

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