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ウイルス学:長期間作用型キャプシド阻害剤はアカゲザルにおいてSHIVの反復チャレンジを防御する

Nature 601, 7894 doi: 10.1038/s41586-021-04279-4

現在、HIV感染を防ぐことのできるワクチンは存在しないため、抗レトロウイルス薬(ARV)による曝露前予防(PrEP)がHIVのパンデミック(世界的大流行)と闘うための重要なツールとなる。現在のPrEP戦略では毎日のARV投与が必要だが、この戦略の成功に基づいて、長期間作用型のARVによって投与頻度を減らすことが期待されている。GS-CA1は、既存のARVに抵抗性の変異株を含む、幅広いHIV株に対してピコモル濃度での抗ウイルス効力を持つ小分子HIVキャプシド阻害剤で、HIV感染のマウスモデルで長期間作用する治療効果を持つことが示されている。今回我々は、アカゲザル(Macaca mulatta)において、GS-CA1の単回皮下投与が、直腸へのサル–ヒト免疫不全ウイルス(SHIV)の反復チャレンジを長期的に防御することを示す。対照群の全てのアカゲザルは、週1回のチャレンジを15週間行った後に感染したが、GS-CA1の300 mg kg−1の単回投与は、24週にわたって曝露当たりの感染リスクを97%減少させた。薬物動態解析により、GS-CA1血漿濃度とSHIVチャレンジからの防御の間には相関があることが示された。このモデルでは、GS-CA1レベルがアカゲザルの血漿タンパク質で補正された95%有効濃度の2倍以上であれば、100%の防御が得られた。これらの概念実証データは、キャプシド阻害剤の開発がヒトにおける新規の長期間作用型PrEP戦略になることを裏付けている。

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