Article

発生生物学:ヒトのブラストイドによる胚盤胞の発生と着床のモデル化

Nature 601, 7894 doi: 10.1038/s41586-021-04267-8

ヒトの胚は、受精後1週間で子宮に着床する。この事象が起こるには、胚が胚盤胞(胚本体を収容する空洞を取り囲む球体)を形成する必要がある。幹細胞からブラストイドと呼ばれる胚盤胞モデルを形成できる。今回我々は、ヒトのナイーブ型多能性幹細胞をPXGL培地で培養し、Hippo経路、TGF-β経路、ERK経路を三重に阻害すると、ブラストイドが効率的に(70%以上の効率で)形成され、胚盤胞の発生の順序とタイミングに従って、3つの最初の細胞系譜からなる(栄養外胚葉、胚盤葉上層、原始内胚葉で97%以上を占める)の胚盤胞期類似体が生じることを示す。ブラストイドは自発的に最初の軸を形成し、その胚盤葉上層が極性のある栄養外胚葉の局所的な成熟を誘導する結果、着床の際と同様にホルモン刺激された子宮内膜細胞と方向性を持って接着する能力を獲得することが観察された。従って我々は、このようなヒトブラストイドは、ヒトの着床や発生を調べるための信頼性の高いスケーラブルで倫理的なモデルであると提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度