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神経科学:マウス脳における、系譜と遺伝的アイデンティティーの単一細胞レベルでの決定

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04237-0

マウス胚では、神経形成の際に、脳室の内側を覆う有糸分裂前駆細胞が、細胞分裂の最終段階に至って多種類の分裂後ニューロンとグリア細胞を生み出す。しかし、発生系譜と細胞タイプの多様性の関連は、未解明の問題である。今回我々は、マウスで、前駆細胞を大規模に並行標識して、前脳の発生の際のクローン関係と遺伝子転写特性を追跡した。出生後にクローンの分岐と収束を、全ての主要細胞クラスにわたって定量的に解析した結果、さまざまなタイプのGABA作動性ニューロンが、1つの共通する系譜を共有していることが分かった。GABA作動性ニューロンのクローンの分岐は、胚発生中に細胞周期から脱する際に起ったことから、サブタイプへの分化が、前駆細胞レベルで系譜依存的な過程として始まることが示唆される。

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