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考古学:ダチョウの卵殻のビーズから明らかになった5万年にわたるアフリカの社会ネットワーク

Nature 601, 7892 doi: 10.1038/s41586-021-04227-2

人類は、アフリカ各地の多様な集団が緩やかにつながった状況で進化してきた。そのため、現在の人類の生物学的および文化的な多様性を説明するには、そうした集団がいつどのようにつながっていたかを理解することが不可欠である。遺伝学的解析から、アフリカの東部と南部の系統が、更新世の約35万~7万年前のどこかの時点で分岐したことが明らかになっているが、それらの相互作用があった正確な時期、そうした交流の文化的背景、系統間の分離を促進した機構に関しては、ほとんど知られていない。今回我々は、アフリカの東部と南部のダチョウの卵殻のビーズに見られる違いを比較し、過去5万年にわたる集団の動態を調べた。その結果、ダチョウの卵殻のビーズの技術はおそらくアフリカ東部に起源を持ち、それが約5万~3万3000年前に地域的なネットワークを介して南方へ広がったと見られることが分かった。このつながりは約3万3000年前に断絶し、それぞれの集団は2000年前以降に牧畜民がアフリカ南部に移動するまで隔離されたままだった。この断絶の時期は、ザンベジ川流域(アフリカの東部と南部をつなぐ地域)に周期的な洪水を引き起こした熱帯収束帯の南下の時期とおおむね一致する。これは、人類の社会的接触を形作るのに、気候が何らかの影響をもたらしたことを示唆している。本研究は、地域的分岐の時期が遺伝学的解析から推測されたものより遅かったことを示すとともに、約3000 kmにわたる様式的なつながりを明らかにし、古代の相互作用の社会的次元に関して重要な新知見をもたらしている。

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