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神経科学:前頭前野の信号と雑音をそれぞれ独立に制御する視床回路

Nature 600, 7887 doi: 10.1038/s41586-021-04056-3

視床背内側核と前頭前野の間の相互作用は、認知に極めて重要である。ヒトでの研究から、これらの相互作用が意思決定において不確実性を解消している可能性が示されているが、その正確な機構は分かっていない。今回我々は、視床背内側核から前頭前野への2つの投射が、不確実な状況での意思決定において相補的な機構的役割を持つことを突き止めた。具体的には、ドーパミン受容体(D2)を発現する投射は、課題からの入力が少ない場合に前頭前野の信号を増幅し、カイニン酸受容体(GRIK4)を発現する投射は、課題入力が密にあるが整合的でない場合に前頭前野の雑音(ノイズ)を抑制する。総合すると今回のデータは、微弱信号による不確実性と高雑音による不確実性を処理する別個の脳機構が存在することを示唆しており、前頭前野要因の強い障害で見られる異常な意思決定を是正するための、機構的な突破口を提供している。

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