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ウイルス学:ベネズエラウマ脳炎ウイルスのLDLRAD3受容体との複合体の構造

Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-03963-9

ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)はヒトで重度の神経疾患を引き起こす新世界アルファウイルスで、このウイルスが取り付いて侵入する受容体がLDLRAD3であることが最近明らかになっている。今回我々は、VEEVウイルス類似粒子について、単独の状態とLDLRAD3の細胞外ドメインと複合体を形成した状態のほぼ原子分解能でのクライオ電子顕微鏡再構築像を示す。LDLRAD3のドメイン1は、低密度リポタンパク質受容体のタイプAモジュールであり、1つの三量体スパイク中にある2つの近接するE2–E1ヘテロ二量体によって形成される裂け目に差し込まれてVEEVに結合しており、E2のドメインAおよびBとE1の融合ループに接している。この界面の原子レベルでのモデル化は、変異誘発実験および抗VEEV抗体への結合競合アッセイによって裏付けられた。注目すべきは、VEEVは、関節炎誘発性アルファウイルスが構造的に関連のないMXRA8受容体へ結合する場合と同じようなやり方でLDLRAD3に結合しているが、接触界面がずっと小さくなっていることである。これらの研究は、アルファウイルスと受容体の相互作用の構造的基盤をさらに解明するものであり、この科に属する多数のウイルスによる感染とそれによる疾病を緩和する治療法の開発に情報をもたらすだろう。

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