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老化:概日オートファジーはiTRFを介する長命を駆動する

Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03934-0

近年、ショウジョウバエ(Drosophila)からヒトに至るさまざまな生物で、アンチエイジング治療の候補として、時間制限摂餌(TRF)への関心が高まっている。TRFでは、食物の摂取を1日の特定の時間に制限する。TRFでは栄養素やカロリー量ではなく摂食のタイミングを制御するため、TRFは概日調節機能に依存するという仮説が立てられているが、その効果の根底にある分子機構については分かっていない。今回我々は、遺伝的ツールと特性が明らかにされているショウジョウバエの老化マーカーを用いるために、ショウジョウバエの寿命をロバストに延長し、筋肉と腸で老化マーカーの発現開始を遅らせる断続的TRF(iTRF)食餌レジメンを開発した。その結果、iTRFは概日調節転写を増強すること、そしてiTRFを介した寿命延長には、概日調節とオートファジー(保存された寿命経路)の両方が必要であることが分かった。オートファジーの夜間特異的誘導は、制限のない食餌での寿命延長に必要かつ十分であり、また、iTRFによる追加の寿命延長も引き起こさなかった。対照的に、オートファジーを昼間特異的に誘導しても寿命は延長しなかった。従って、これらの結果から、概日調節されたオートファジーが、ショウジョウバエにおけるiTRFを介した健康利益に対する重要な要因であることが明らかになった。概日調節とオートファジーはどちらもヒトの老化で高度に保存された過程であるため、本研究は、概日調節されたオートファジーを誘導する行動介入や薬理学的介入により、ヒトにも、老化の遅延や寿命の延長など、同様の健康利益がもたらされる可能性をはっきりと示している。

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