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免疫学:ショウジョウバエでは、cGAS様受容体がRNAを感知して3′2′-cGAMPシグナル伝達を制御する

Nature 597, 7874 doi: 10.1038/s41586-021-03743-5

サイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)は哺乳類細胞の細胞質のDNAセンサーで、セカンドメッセンジャーであるcG[2′–5′]pA[3′–5′]p(2′3′-cGAMP)を産生し、自然免疫の活性化を制御する。動物のゲノムは、通常、cGASと相同性があると推測されるタンパク質を複数コードしているが、これらの特徴の明らかになっていない酵素の機能は不明である。今回我々は、cGAS様受容体(cGLR)が自然免疫センサーであり、さまざまな分子パターンを認識して異なる複数のヌクレオチドセカンドメッセンジャーシグナルの合成を触媒できることを明らかにする。ヒトと昆虫のcGLRの結晶構造から、cGASと共通なヌクレオチジルトランスフェラーゼシグナル伝達コアと、顕著な挿入や欠失で修飾された多様な一次リガンド結合表面の存在が明らかになった。また、cGLRの表面をリモデリングするとリガンドの特異性を変えられることが実証され、さらに前向き生化学的スクリーニングを用いて、cGLR1がモデル生物であるキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の二本鎖RNAセンサーであることが明らかになった。ショウジョウバエのcGLR1はRNAを認識することで活性化し、新規な産物cG[3′–5′]pA[2′–5′]p(3′2′-cGAMP)を合成することが分かった。3′2′-cGAMPと複合体を形成したショウジョウバエのdSTING(Drosophila stimulator of interferon genes)の結晶構造から、選択的なアイソマー認識の仕組みが説明され、3′2′-cGAMPはin vivoで、ウイルス感染を防ぐ抗ウイルス状態の亢進を引き起こすことが示された。これらの結果によって、病原体免疫におけるToll様受容体の放散と同様に、cGLRが後生動物のパターン認識受容体の多様なファミリーであることが明確になった。

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