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天文学:天文観測サイトとしてのチベット高原の冷湖

Nature 596, 7872 doi: 10.1038/s41586-021-03711-z

地表には、次世代の超大型施設に必要な条件を満たす質の高い天文観測サイトは少数しか存在しない。時間領域天文学の科学的機会という観点から、良いサイトがチベット高原にあれば、これまでに知られている最良のサイト(全て西半球に存在する)の間の経度的な不足を補うことになる。チベット高原は、地球で最も標高の高い高原で、平均標高は4000 mを超えることから、天文学と素粒子宇宙物理学に絶好の好機をもたらす可能性がある。今回我々は、中国青海省の冷湖鎮(Lenghu Town)付近にある賽什騰山(Saishiteng Mountain)の山頂の1つで3年間にわたり行った一帯のモニタリング調査の結果について報告する。サイトとして将来性のある地点の標高は、4200〜4500 mである。冷湖鎮周辺の10万km2を超える領域は、より標高が低くて3000 mを下回るが、その気候は極めて乾燥しており、(昼夜の別なく)局地的に非常に晴天率が高い。このサイトでは、晴天の測光夜率は70%で、夜間のシーイングの中央値は0.75秒角であった。夜間の気温変動の中央値はわずか2.4°Cで、これは局地的な地表大気が非常に安定していることを示している。また、夜間の可降水量は、55%の日で2 mm未満だった。

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