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心血管疾患:MARK4は微小管の脱チロシン化を介して虚血性心不全を制御する

Nature 594, 7864 doi: 10.1038/s41586-021-03573-5

心筋梗塞は、成人の早期死亡の主要な原因である。心筋梗塞後の心機能低下は慢性心不全を引き起こし、全身合併症や高い死亡率を伴う。心筋梗塞後の心機能回復を改善するためには、効果的な治療戦略が必要である。より具体的には、現在利用可能な変力療法は、収縮期心不全患者での罹患率や死亡率の高さと関連があるか、あるいは心不全リスクをほとんど低下させないため、心筋細胞の収縮性を改善できる新たなクラスの薬剤に対して深刻なアンメットニーズがある。微小管の脱チロシン化が、心筋細胞の収縮性調節に対する重要な機構であることが明らかになってきている。今回我々は、マウスにおいて、MARK4(microtubule-affinity regulating kinase 4)の欠損が、梗塞のサイズや心臓リモデリングに影響を及ぼすことなく、急性心筋梗塞後の左室駆出率の低下を大幅に制限することを示す。機構的には、MARK4が微小管結合タンパク質4(MAP4)のリン酸化を促進することで、チューブリンカルボキシペプチダーゼであるVASH2(vasohibin 2)の微小管へのアクセスが容易になり、αチューブリンの脱チロシン化が行われることで、心筋細胞の収縮性を調節しているという証拠が得られた。我々の結果は、心筋細胞での微小管の脱チロシン化がいかにして、MARK4により微調整されて心臓の変力性を調節するかを示し、MARK4が心筋梗塞後の心機能改善に対する有望な治療標的であることを明らかにしている。

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