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食物学:エチオピアおよびマラウイでは穀類の栄養品質に地理空間的な変動がある

Nature 594, 7861 doi: 10.1038/s41586-021-03559-3

サハラ以南のアフリカでは、社会経済学的および地理的な理由から、微量栄養素(ビタミンおよび無機質)に富む動植物由来の食物の十分な入手が制限されており、この地域の人々の間には今なお微量栄養素欠乏(MND)が広く見られる。本論文では、エチオピアおよびマラウイの大半の穀類生産地域における、主要穀粒の微量栄養素組成(カルシウム、鉄、セレン、亜鉛)を報告する。我々は、栄養学的に重要な微量栄養素の組成には、地域規模で地理空間的な変動が存在することを示す。穀粒の微量栄養素濃度に関する土壌および環境の共変量には、土壌pH、土壌有機物、気温、降水量、地形が含まれ、これらは微量栄養素および作物の種類に特異的であった。食物の地産地消を行う農村家庭(多くの小規模農家コミュニティーを含む)では、居住地が、穀類由来の微量栄養素の食餌による摂取量の決定において最も影響の大きい要因となる場合があることが分かった。両国において、穀粒中のセレン濃度と、セレンの食餌摂取状況を示すバイオマーカーとの間には正の関係が認められた。摂取状況のバイオマーカーや、全国規模および地域規模の食物組成データからの食餌摂取量に基づいたMNDの監視は、穀粒の微量栄養素組成に関する地域レベルのデータを用いることで改善できる可能性がある。食物の栄養価強化や作物の微量栄養素濃度を増大させる生物学的栄養強化といった、食の多様化以外のMND改善方法は、介入の成果を上回る規模になる場合のある地理的な影響を解決できるはずである。

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